新型コロナウィルスの影響によるオンライン会議の普及で、自分の姿を画面で見ながら仕事する機会が増えたことから、今まで以上に見た目や、肌が気になるという男性が増えてきています。メンズコスメ市場は徐々に拡大を見せており、富士経済によると2019年は1,199億円市場にまで拡大。2011年の995億円市場から8年連続で増加しており、今後も成長が見込めるカテゴリーです。ルベルには、このメンズコスメ市場にいち早く着目し、「メンズスキンケア」開発に着手した研究員がいるのです。しかし、彼は“毛髪のプロフェッショナル”。その彼が、なぜ「メンズスキンケア」を開発したのか?
今回は、毛髪のプロフェッショナルだからこそ立ち向かったメンズスキンケア開発とその想いを取材しました。
スタイリストから聞こえてきた「敏感肌の男性が増えている」という声
ルベル事業部 化粧品研究開発部 第一研究 研究員・戸田和成
入社4年目の秋から、『ジオ フレイマン』というメンズシリーズのスキンケアを担当しています。
開発当時、化粧品研究開発部は、毛髪に関する研究員がほとんどでスキンケア専門の処方担当者はわずか。私も含めて毛髪に関する研究員ばかりです。だから、社内には参考にできるスキンケア処方が少なく、ルベルブランドとしては“イチからのスタート”と言ってもいいかもしれません。
当初は、「青ひげを目立たなくさせる」や「速攻リフトアップ」など、使った瞬間に効果が実感できるものを作れないかな・・・と考えていました。しかし、当時のマーケティング担当から、男性の肌悩み意識が、「肌のベタつき」のような皮脂系の悩みから、「肌荒れが気になる」「肌が乾燥する」という敏感肌系の悩みに変化してきているという話を聞き、敏感肌の男性でも使えるスキンケアを開発しようと決断しました。
私たち研究員は、仕事柄、美容室や理容室のスタイリストの皆さんと交流する機会も多いのが特長です。
スキンケア開発当時、バーバーのスタイリストさんから、「最近、シェービングの後につける化粧水がしみる、というお客さんが増えてきた」という声を、しばしば聞くようになりました。バーバーのスタイリストの皆さんは、お客様の肌に直接触れることも多く、お客様とのコミュニケーションを通じて、髪悩み以外にも肌の悩みも聞いている方たちです。
そこで、バーバーのスタイリストの皆さんが日頃のサロンワークで使用しながらも、お客様が日々のフェイスケアにも使えるアイテムを開発すれば、きっと、お役に立てるに違いない!と思い開発に着手しました。
“ジェル状”剤形だから続けられる、メンズスキンケアを目指して。
ひげをそる、ということ。男性にとっては、身だしなみを整える毎日の重要なルーティンです。
しかし、皮膚科学的な視点で言えば、剃刀で皮膚に外部刺激を与えている行為とも言えます。ひげそりは、乾燥など外部刺激から肌を保護して、肌の内部の水分を守ってくれる「角層」の一部を削り取ってしまうことも。そのため、肌荒れやカサつきなど、いわゆる「カミソリ負け」を起こす可能性もあります。
そこで、ひげそりの後に使う、保湿剤に注目しました。毎日のひげそりには、健やかな肌を日頃から整えておく保湿剤が重要だと考えたからです。
開発時、一番大切にしたこと、それは、お客様への“心遣い”です。
「ジオ フレイマン」のスキンケアアイテムは、すべて弱酸性です。剤形にもこだわり「ジェル状」にしました。これは、僕自身のスキンケア経験からも感じていたのですが、化粧水をつける時、いつも手の指の隙間から化粧水がポタポタとこぼれ落ちてしまい、正直、もったいないなと(笑)。
そして、男性はジェルというだけで、“ベトつきそう!”というネガティブなイメージ持ちがちです。男性は、一旦ネガティブなイメージを持ってしまうと、継続したスキンケアをしてくれません。そこで、「ジオ フレイマン」の保湿剤「ジオ フレイマン モイストジェリッシュ」は、化粧水のようにたっぷりつけながらも、“ベタつかない”使用感にもこだわりました。“粘度は上げながらも、ベタベタせず、男性に必要な保湿成分を補えるジェル”を目指したのです。ジェル状で出てくるけど、肌につけたら化粧水のようにシャっと、リキッドになるようなジェル。処方設計の段階から、化粧水のような使い心地を目指しました。
メンズだからこそ“見た目の変化”を求めたい。徹底的に考えたアイテムとは?
「ジオ フレイマン」のターゲットは、身だしなみを大切にして、おしゃれにこだわっている男性です。
今は、男性もメイクをする時代になりましたが、開発当時、男性がBBクリームでメイクをして出勤するという習慣が今ほど定着しておらず、メイク品を提供するにはハードルが高いのではないかと考えていました。男性にとって、BBクリームは、「塗っている感」が出ると感じる人も多く、特に、使う側の“心のハードル”が高いのかなと。だから、スキンケアの延長線のアイテムであれば、使い続けてもらえるのでは?と考え、スキンケア品として開発することにしました。普段のスキンケアとしての“使いやすさ”、洗顔後の潤いを求めている“肌へのなじみやすさ”、そして、男性特有の“ベタつき”の軽減。あくまでも、スキンケアとして肌をきれいに魅せて、しかも見た目の変化も提供できる。
「ジオ フレイマン ブライトセラム」は、使ってすぐに実感して頂ける製品になったのではないかと思います。
研究員は「生活者」であるという視点を忘れない、処方数約500回の挑戦。
「ジオ フレイマン」のスキンケアの開発中、大切にしていたこと。それはイチ生活者としての視点です。
毎日使い続けられるスキンケアとは?男性にとっての使いやすさとは?・・・開発中は、そんなことを考えながら、自宅でも朝晩、毎日使っていました。研究室でも、洗顔して、保湿して、洗顔して、保湿して。その繰り返しで、1日10回洗顔することもありました。研究室には、肌の水分蒸散量を図る計測機械もあるのですが、スキンケア開発は、使い心地も大切な要素です。だから、自分の肌で試して、その感覚を次の処方に活かし改善を繰り返していく。中には、開発段階で試作品を500ぐらい作った商品もあります。通常、ヘアケアやスタイリング剤などの試作の処方番号は100ぐらいですから、とにかく、めちゃくちゃ作りましたし、正直、泥臭い事ばかりでしたね(笑)。
「ジオ フレイマン」スキンケア開発で、サロンビジネスへの貢献を目指す。
「ルベル」は、美のプロフェッショナルであるヘアサロンでのカウンセリングを通じた製品の製造販売を行っているブランドです。今、サロンは髪を切る、染める、パーマをかける、スタイルと整えるという場所から「美の情報が集約、発信され、お客様が情報をインプットする場所」。つまり、トータルでお客様の美を提供できる唯一の場所だと思います。
だから、市場が盛り上がってきているメンズスキンケアは、これからもっとサロンビジネスに貢献できると考えています。私は、研究員ですが、製品の研究開発は勿論のこと、サロンでフェイスケア!というような考えが定着する取り組みにもチャレンジしてみたいと思っています。
毛髪の研究員だからこその発想で、例えばスタイリング剤のようにスキンケアでスタイル作り、見た目の印象を変えることができる。そんな、スキンケアを作ってみたいと思います。
そして、スキンケアすることで、男女問わず、人を魅了することができれば最高ですね。
ジオ フレイマン
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