2021.05.14

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シリコンって髪に悪いの?

シャンプーやトリートメント、ヘアスタイリング剤などに含まれる「シリコン」。
ノンシリコンやシリコンフリーなどの流行により、シリコンは髪に悪そうなイメージもありますが、実際のところはどうなのでしょう?
ヘアケアにおけるシリコンの役割やメリット、デメリットについて解説します。

ヘアケア製品や化粧品に配合されるシリコンの役割

一般的には「シリコン」と呼ばれていますが、「シリコーン」が正式名称です。(以下、シリコーンという言葉を使用。)

身近なものではファンデーションや日焼け止めなどの化粧品にもシリコーンが配合されています。これは水に強く落ちにくい性質から、汗への耐性や崩れ防止などの役割があるためです。

髪に対しては、手触りをよくしたり、キューティクルを保護する役割があるため、シリコーンが配合されます。シリコーンは通常の油剤と比較して、大きく3つの優れた特長があります。

①酸化による劣化を受けにくい
②安定性が高い
③耐水性・耐油性が高い

シリコーンは、ケイ素と酸素が交互に結びついたシロキサン結合(Si-O-Si)を主鎖に持ち、さらに、その側鎖に炭素などの有機基が付いた成分として合成されています。その主鎖の長さと側鎖の組み合わせで、無数の原料が存在します。


数あるシリコーンはそれぞれ異なる性質を持つため、製品に適したシリコーンが配合されます。ヘアケア製品に多く使われているのは、主に次の種類のシリコーンです。


ヘアケア製品におけるシリコーンのメリットとデメリット

シリコーンには、毛髪表面を整える効果があります。シリコーンが配合されたトリートメントは、ヘアカラーやパーマによるキューティクルのはがれをおさえて絡まりを予防し、手触り良くきれいなツヤのある髪へと導きます。また、滑りの良さや保湿性があるため、摩擦を軽減したりドライヤーなどの熱ダメージによる乾燥からダメージの進行を防ぎます。(図1)

一方で、シリコーンは過剰に使用するとシャンプーやお湯で落としきれずに蓄積してしまいます。その結果、髪がゴワゴワになったり、パーマやカラーのパフォーマンスに影響が出てしまうことがあります。また、髪の根元付近にシリコーンが付着するとその重さによりトップのボリュームが落ちることも分かっています。(図2)

日頃から、髪にシリコーンが蓄積しないよう、適切にシャンプーで洗い流すことが大切です。

ルベルのシャンプーは、髪の根元を立ち上がらせて髪全体の美しいシルエットを実現するため、ノンシリコーンで処方を設計しています。一般的にシリコーンを配合しないシャンプーは、洗い流し時のキシみや絡まりが起きやすくなることがありますが、ルベルでは長年の研究によりノンシリコーン処方でも指通りの良い髪質に仕上げられる技術を確立しています。


さまざまなシーンで活躍するシリコーン

ルベルでのシリコーンの処方例を紹介します。

トリートメントでは、シリコーンと特定の天然由来のオイルの組み合わせにより被膜を形成させる技術を開発しました。この技術は、自然に輝く上品なツヤをキープさせたり、トリートメント成分の流出を抑えるため、100種類以上ある原料をソムリエのように独自ブレンドし、ようやく完成させたものです。

ヘアカラー剤では、毛髪のマイナスイオン部分に染着する塩基性染料と同じく、マイナス部分に吸着しやすい「アミノ変性シリコーン」を効果的に組み合わせることで、色持ちアップを実現させています。(図3)

 

シリコーンは手触りの良さやツヤを髪に与えてくれるため、ヘアケア製品には大切な成分のひとつです。
ただし、使い方や選び方次第ではデメリットもあります。シリコーンの特徴を理解し、最適に処方された製品を選んで理想の髪を目指しましょう。

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