2021.07.15

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「ポリアクリレート34X」の開発~スタイリング剤の手触りの追求~

ルベルは、より安全でより高いパフォーマンスを実現するため、製品の原料となる成分についても研究開発を進めています。スタイリング剤に配合されるセット成分「ポリアクリレート34X」の開発について紹介します。

スタイリング剤のキー成分「セットポリマー」

ヘアコスメの中で、最も剤型の種類が多いものはスタイリング剤です。スプレー、ワックス、フォーム、ジェル、グリース、ミスト、クリーム、ミルク等さまざまな剤型がある中で、スタイルをキープする成分は固形油分とセットポリマーのたった2種類。

その中でも、瞬間接着剤のように髪と髪をくっつける、という性質を持つセットポリマーは何年も基本性能が変わっていません。キープ力に優れる特徴を活かし、主にハードスプレーやジェルなどに配合され、バキっと硬く固まることで、1980年代から現在に至るまで幅広いヘアスタイルの方に使用され続けています。

新規セットポリマー「ポリアクリレート34X」の開発

スタイリング剤の開発において、決まって直面する課題があります。それは、感触の良さとセット力は必ずトレードオフしてしまうことです。手触りの改善を試みるとセット力が落ちてしまい、逆にセット力を高めるとガサガサと手触りが悪くなってしまいます。

昨今、トリートメント同様スタイリング剤にも手触りの良さがより強く求められるようになったことをきっかけに、セットポリマー「ポリアクリレート34X」の開発がスタートしました。従来、セットポリマーは、仕上がりが硬ければ硬いほど良いとされ、硬くするための技術を進化させ続けていたため、「手触りの良さ」を求めることは、これまでとは真逆の開発になります。

セットポリマーの構造は数珠に似ており、モノマーが結合することによってポリマーが構成されています。モノマー一粒一粒の特徴を変えることで、ポリマー全体の特徴を変えることができるのです。そこで、モノマーの一部を髪の指通りや手触りに作用する成分に変えることで、その特徴を組み込めると考え、何度も改良を重ねました。 

通常は配合されない非常に特殊な成分(X)をモノマーに組み込んだ83回目の改良で、ようやく感触が良くなり始めました。その後も改良を重ね、特殊なモノマーを“硬さモノマー”と“粘着モノマー”で挟み込むことで、手触りの良さとセット力を両立できる新成分「ポリアクリレート34X」の開発に成功しました。改良は約1年の間150回にも及び、この世界初の成分は、特許を取得することができました。

ヘアサロンでは、「スタイリング剤が苦手な方にもお薦めできる!」とのお声をいただき、手触りが良ければ、スタイリングを積極的にしたいというニーズの発見にもつながりました。

また、手触りが良いのに髪がまとまるという独自性から、「ポリアクリレート34X」はヘアカラー製品のクリームへ応用されるようになりました。クリームが髪にピタッと張り付くように馴染むことでヘアカラーが塗りやすくなり、仕上がりも良くなったとご好評いただいています。

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